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弁護士コラム Column

親権者の決定手続

2020年05月29日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 勝又 敬介

親権者の決定については、2016年7月12日のブログ記事でも紹介させていただきましたように、様々な要素から、いずれを親権者とすることが,子どもの成長にとって最善かという観点(子の福祉)で判断されます。

今回は、親権者の決定について、手続的な面を中心に、簡単に説明させていただきます。

親権の決定は、夫婦間の協議により合意に至れば、その合意に従うことになります。具体的には、離婚届に親権者を記載する欄があるので、その欄に親権者を記載して役所に提出することになります。

夫婦間で協議が整わない場合には、家庭裁判所における調停を申し立てて、調停の中で協議する事になります。もっとも、調停は話し合いによる互譲による解決を目指す手続ですので、この調停の中でも合意が成立しない場合には、調停での解決はできません。

調停で解決できなかった場合には、当事者双方に異議が無ければ離婚の審判に移行して解決を図ることも考えられます。ただ、審判結果に対して当事者からの異議があれば効力が失われてしまうため、当事者間の対立が激しい場合には、実務上あまり利用されません。

このため、通常は、調停が成立しなかった場合には、家庭裁判所に対して離婚訴訟を提起し、裁判所の判決により親権者の決定を求めることが一般的です。

家庭裁判所は、最終的には判決により親権について決定することが可能ですが、当事者に対して判決となった場合の心証を開示するなどして妥協を促し、親権については両当事者が(渋々であっても)納得できる解決を目指すことも多いようです。裁判所が心証を開示するなどしても対立が収まらなかった場合、家庭裁判所は判決により親権者を決定します。

家庭裁判所の判決で親権者が決定されたとしても、対立が深刻なケースでは、当事者が判決内容に納得がいかず、更に高等裁判所に対して控訴の手続が取られることもあります。

控訴審においても親権について解決ができなければ、やはり判決が下されますし、この判決にも不服があれば、更に最高裁に上告することも可能です。もっとも、最高裁ではそもそも事件が受理されない可能性が高く、実質的には控訴審が最終的な判断と考えた方が良いでしょう。

この一連の手続の中で、裁判所の判断に大きな影響を与えるのが、家庭裁判所の調査官の調査です(但し、全件で調査官が調査を行うわけではありません)。

調査官は、心理学や社会福祉など、専門的な知見を持つ専門家であり、子や親の心情、離婚事件の進捗状況等を踏まえて、子に対して悪影響を与えないように注意しつつ、子の父母に対する気持ちや、子の日常生活状況、夫婦双方の家庭環境などを調査します。調査の具体的方法としては、当事者から事情を聞くほか、子にも裁判所に来てもらって面談したり、親と交流してもらいその様子を観察する、各家庭を訪問するなど、事案に応じて様々な調査を行います。

最終的な判断は、裁判官が下すのですが、裁判官としても、心理学等の専門家である調査官の判断は尊重する傾向が強いといえます。

また、親権者については、いったん決まって離婚が成立した後でも、親権者の変更の手続きを取ることも可能です。

親権者の変更の場合も、当事者間の協議が基本となりますが、協議が整わない場合は、調停等の手続を経て決定されます。

ただし、親権者の変更は、子どもの生活環境等を簡単に変更することは望ましくないとの観点から、認められにくい傾向があるといえます。

親権の決定については、様々な要素が絡み、裁判所に対してどのような事情を訴えるべきか、十分な検討が必要ですし、手続としても様々な手続があります。

不安な点があれば、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

名古屋丸の内本部事務所 弁護士勝又敬介

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この記事の著者

勝又 敬介

弁護士

勝又 敬介(かつまた けいすけ)プロフィール詳細はこちら

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所属弁護士会:愛知県弁護士会

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