婚姻費用の緊急的な支払いを求める③
2021年03月08日
岡崎事務所
弁護士 安井 孝侑記
3回シリーズのラストです。
別居した直後,経済的に非常に切迫している場合に採るべき最終手段は
婚姻費用分担金の仮払いを求める保全処分 となります。
これは,本案事件とする婚姻費用分担申立事件が係属している状態で行い,相手方の財産を仮差押えするものです。
このように,実効性はかなり高いものですが,相手方に与える影響も大きいので,その要件は調停前の処分に比べて,厳しくなっています。
具体的には
①本案認容の蓋然性
②保全処分の必要性
が必要となります。
①本案認容の蓋然性
…本件でいうと,相手方に婚姻費用の分担を求めることができるか,ということになります。
本来の調停なら,期日を何回も重ねて,都度書類提出する流れでもいいですが,この手続は緊急性があるので,資料等を早急かつ的確に準備する必要があります。
②保全処分の必要性
…かみくだくと,「相手方が婚姻費用を支払ってくれない」だけでは,この必要性は認められない可能性があります。
相手方が財産を処分・隠匿・費消のおそれがある場合といった急迫の危険を防止するための必要性があることが認められることが求められます。
対象となる範囲
請求債権とできる範囲は
・過去の婚姻費用分担金
・将来分の請求
が含まれるとされています。
将来分とは,平均的審理期間をもとに計算するとされています。
以上のとおり,この婚姻費用分担金の仮払いを求める保全処分は,一般的に高度かつ緊急性な法的な手続であるので,仮にこの問題で悩んでいる方は,できる限り早く弁護士にご相談されることをおすすめします。
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